身代わり王女の禁断の恋
5日後、騒がしい物音で目が覚めた。

「アルフ、起きて。
何だか、騒がしいの。」

私がアルフを揺り起こすと、寝ぼけたアルフの顔が、一瞬で厳しいものに変わった。

「まさか…
まだ5日だぞ。」

アルフは飛び起きて、手早く身支度を整えると、私にドレスとコートを渡した。

「時間がない。
急いで着替えるんだ。
窓から逃げるぞ。」

「え!?」

私は戸惑いながらも、衝立の陰で急いで着替えをする。

けれど…

私がコートを羽織る前に、けたたましい音でノックされた。

私はアルフと顔を見合わせる。

「コートはいい。
そのまま行こう!」

私は、王宮から抜け出した時と同じように、バイオリンだけを抱えて、アルフの手を取った。

「まず俺が、バイオリンを抱えて飛び
降りる。
そのあと、クリスが飛び降りるんだ。
大丈夫。俺が下で受け止める。」

アルフはそう言って、窓を開けた。
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