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第1章





「真美(まみ)!帰ろう」

「ごめん!今日、ちょっと用事があって……一緒に帰れないの」


「用事?何それ?」

「えっと…、先輩に呼ばれて…」


「は?先輩?部活してないのに知り合いの先輩いるの?」

「う、うん。…近所に住む人で…昔からの知り合いでね…あ、ごめん。行かないと…」


「ちょっと真美!」


セナ、ごめん!
私、今日、凛太くんに一緒に帰ろうって言われたの。


…あの人気者の凛太くん。
昔はよく遊んでもらってたけど、中学生になってから会わなくなっちゃって。

本当はずっとずっと好きで、この高校入った理由も凛太くんがいたから。

こんなこと、セナに言ったら気持ち悪いって言われるかな。


そんなこと思いながら、階段を降りて降りて走る。

大好きな人と今日は帰れるんだ。
嬉しくてたまらない。

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