※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。


今日は土曜日。

学校がない日にこうして会っているのは、はのんちゃんのお父さんの誕生日プレゼントを選ぶために男子の意見を聞かせてほしいとお願いされたからだ。


この前のパーティーの日のことを謝られ、『お詫びになにかさせてほしい』と言われたから、『はのんちゃんとデートをしたい』と答えたところ、今日の買い物をセッティングされた。


大役を仰せつかったからには、しっかり役に立ちたい。

けれど――はのんちゃんとデートをしていると思うと。

まずい。浮かれる。


照れを隠すみたいにぐんぐん歩いて行くはのんちゃんの後を追いながら、俺は気を抜けば簡単に緩んでしまいそうになる頬を引き締めるのに必死だった。





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