パーフェクトラブ〜激愛されて困ってます〜
午後も忙しく、仕事はあっという間に終了した。

明日、雷斗くんに会えると思うだけで
胸が弾む。


雷斗くんを好きになって良かった。
早く家に帰って、明日に備えないと……

私は嬉しくて、自然と早歩きになっていた。


ブブー、ブブー。

誰だろう?

スマホを取り出して、画面を見るとそこにはお兄ちゃんからの着信が……

げっ、

今日は行きたくないよ。

見ないふり
見ないふり。

ブブー、ブブー。
ブブー、ブブー。


あ〜、もう。

「はい」

「出るのが遅せぇよ」

「仕事中でしょ?ちゃんと仕事しなよ」

「ちょっと帰り寄れ」

「嫌だよ〜。疲れたから帰りたい」

「じゃぁ、仕事の帰りに美結雨の家に押しかけるぞ。それでもいいんだな」

「だめ。今から行くから家には来ないで」

「じゃぁ、来いよ」

もう、いつも強引なんだから。
でも、怒りながらも行ってしまう私もバカなんだけど......

私は、お兄ちゃんの店へ向かった。

「いらっしゃいませ」

「こんばんは」

出迎えてくれたのは、嶺二さん。
相変わらず、爽やかですなぁ。

「美結雨ちゃん、巧海が待ち構えてるよ」

「えっ?」

「席に案内するね」

「はっ、はい」

「ふふっ」

「笑い事じゃないですよ」

「ごめん、ごめん」

「もう〜」

私は、案内された席に座った。

「今日は?」

「ウーロン茶で」

「珍しいね」

「たまにはね」

「かしこまりました」

嶺二さんが、奥へ入って行った。
それと同時に、今度はお兄ちゃんがやって来た。

「美結雨……」

「なっ、何?切なそうな顔をして」

私は、驚いた。

「お前、最近メシ食ってるのか?」

「???」

「最近、かなり痩せただろ?何かあったのか?
それにまた痩せただろっ」

「お兄ちゃん、少しは綺麗になったなとか言ってくれないの?」

「お前は、元から綺麗だろ」

照れる。イケメンなお兄ちゃんから言われると、尚更だ。

何でそういうことをサラリと言うかなぁ。

「お兄ちゃん、バカですか?」

「はぁ?俺のどこがバカなんだよ」

「あんなにデブだった妹を綺麗というお兄ちゃんの目を疑う」

「人は、内面の性格が表面に出るんだよ。だから、お前は綺麗なんだよ。わかったか?」

「今まで言ったことないくせに」

「それは、妹に言うのは照れるしな」

「お兄ちゃん、ふふっ。かわいい」

「お前なぁ」

「いいから、お兄ちゃん仕事して」

「あぁ、わかったよ」

お兄ちゃんは、奥へ入って行った。

「巧海は、巧海なりに美結雨ちゃんのことが、
心配なんだよ」

「あっ、嶺二さん。それは、分かってるんです。そうじゃなきゃ、私もこんなに楽天的に
生きて来れなかったから......嶺二さんにもいつも感謝しています。ありがとうございます」

「美結雨ちゃん、改まって言われると照れるよ......」

「嶺二さんも可愛いですね」

「美結雨ちゃん......からかわないで」

「ふふっ。嶺二さんもお仕事して下さい」

「は〜い。またね」

「はい」

私は幸せな気持ちでウーロン茶を飲んだ。

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