パーフェクトラブ〜激愛されて困ってます〜
それから花鈴音さんと話をして、何かあったら相談にのると言ってくれた。

私も初めての恋だ。元谷さんに迷惑をかけないように、この恋を楽しもうと思った。見ているだけの恋だけど、少しでも綺麗に見られたいから……

それからは、毎日鏡を見るようにした。やっぱり自分のデブさ加減を、この目で確かめておかないと……ストレッチは毎日の日課になった。夜、お風呂上がりにやると、翌朝がかなり身体が楽になる。立ち仕事だからこれは、前からやっておけばよかった〜って後悔した。

もともと楽天主義な私。ちょっとでも、痩せてくると、飛び跳ねて喜んでしまう。

金曜日に元谷さんに会えると思うだけで、顔がニヤケてしまう。今までもこの仕事を嫌だと思ったことはないが、今は前よりもっと楽しい。恋をするとこんなにも楽しいのかぁって改めて感じた。

金曜日。私は、レイトショーの受付をしていた。元谷さんは、上映時間、ギリギリだった。

私を見て、ニッコリ笑う。

「いらっしゃいませ」

「今日は間に合わないかと思ったよ」

ちょっと息を切らしていた。

「間に合ってよかったですね」

「あぁ、小橋さんにも会えたからね」

ちょっと照れたように笑う。

きゅ〜ん。可愛いすぎ。ドキドキする。

「私もお待ちしてましたよ」

「えっ?ほんと?」

わっ、私。今なんてことを言ってしまったのだ。

元谷さんも、驚きながら笑った。

「上映時間ですよ」

「あぁ、行ってくるね」

「行ってらっしゃいませ」

私は、一生懸命、冷静を装った。

内心はやったぁってガッツポーズをしていた。
また、元谷さんの新しい表情を見ることができたから。




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