キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「ごめんね。
ホントにごめんね………!
愛里ちゃんが悲しいって分かってたのに……………ごめんなさい。
先生、悠人先生のことが大好きなの。
でも、愛里ちゃんだって大好きだから………
悲しい思いをさせないようにしようって思ってたのに……
こんなに泣かせちゃった。
独り占めしようなんて思ってないの。
幼稚園の時の悠人先生は、みんなの先生だから。
でもね。
ひよこ組さんって、まだとっても赤ちゃんで………
唯先生だけだと、怪我をしたり迷子になってしまうから。
悠人先生や主任先生、園長先生に助けてもらってるの。
でも…………愛里ちゃんだって、悠人先生に助けて欲しかったよね。
愛里ちゃんの心を、助けて欲しかったんだよね。
唯先生、今から一人で頑張る!!
だから……悠人先生に来てもらって、愛里ちゃんを助けてもらおう!」

そう言うと、先生に携帯をかけた。

「先生、来てもらえる?」

「………………………分かった。」

直ぐに飛んできてくれた先生の手には……………

チョコレートとハンカチ。

「やっぱり泣いてる。」

二人を見て笑った先生は

「愛里ちゃん、秘密守れる?
悠人先生と唯先生と愛里ちゃん………三人の秘密だよ!」と言って

木の下に腰かけて、二人を膝に抱っこしてくれた。

「悠人先生のおやつ。」

二人の涙を拭いた先生は、チョコレートを3つに割って

唯と愛里ちゃんの口に入れて、最後の一つを自分の口におさめた。
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