キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
初めの一歩………新婚生活

イチャイチャ

「悠、待って~!!」





昨日みんなと過ごした唯はクタクタで。

髪を乾かしてもらう頃には………

夢の中。

いつの間にかベッドに入っていたみたいで。

チュッ。

おでこのキスで、目を覚ますと

カーテンから覗く朝日は………随分高く昇ってたの。

「おはよう、奥さん。
お坊ちゃんが『お腹すいた』って
さっきからおお騒ぎしてるよ。」って…………。

坊っちゃん??

ドアの向こうで

ガサガサ床を擦る音が聞こえてくる。

あっ、悠!!

旅行ボケで、悠のお世話を忘れてた。

慌ててベッドから降りようとする唯を

「ちょっと待って。」って

後ろからお腹に腕を回して、ベッドに引き戻す悠君。

「??」

「忘れもの。」

そう言うと、自分の膝に乗っけて。

「おはよう。」

チュッ。

あっ、そうだった。

悠君と結婚した日に決めた約束の一つ。

『どんなに忙しかったり
喧嘩したり、子供が出来て大きくなっても…………
目を見て、おはようとおやすみは言おう!』

それは………

一人になる事が不安な唯が、寂しくならない約束。

何があっても、唯の隣に帰って来るよっていう

悠君の優しさ。

「悠君、おはよう!」

チュッ。

夫婦になっても、まだキス止まりの二人だから。

挨拶の時だけは、唯からもキスをするの。

二人の約束……………温かいね!

二人の朝を楽しんでいたら………

再びドアの向こうからガサガサと。

……………そうだった。

悠は朝ごはん。

そういえば、お寝坊したから悠君もお腹がペコペコのはず。

「二人とも待ってね~
急いでご飯を用意するから!!」
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