キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「唯、予約の間………お願いなんだけど。
アルコールは………無しにしてもらえる?
我慢するつもりだけど………
うるうる目で、ニッコリ笑って
『悠君、大好き』なんて言われたら………。
俺も飲んでるし……
手を出さない、自信がない。
唯ちゃんは………アルコールに弱いから………。」って。

ウソ!

そんな事してたの??

ホント………穴があったら入りたい。

「後、俺以外の所では………
絶対飲まない事!
唯は、甘酒でも酔うからね。」

甘酒でも…………??

あっ、初詣!!

だから悠君は、アルコールを反対してたんだ。

だったら…………言ってくれたら良かったのにぃ~

「だって、俺の為にアルコールを練習しようって思ったんでしょ?
そんな可愛い事言われたら………
我慢くらいって思ったんだよ。」って……。

あれっ、また言ってた?

おまけに、アルコールを飲む理由も…………。

思ったことが……全部筒抜けだ。

「ナイショのつもりで、色々考えてくれる事も。
ちょっとずれた考えだけど、一生懸命考えてくれる事も。
ホントに唯は………可愛いよ。
優しくて、純粋で真っ直ぐで…………。
出逢ってから、いつも思ってるよ。」

ホントに嬉しい事を言われてるはずなのに………

ちょっとからかわれて聞こえるのは………どうして?

プクっと膨れた頬を押して

「ほらっ、先にお風呂に入っておいで。
二人でゆっくり出来るのは今日までだよ。
昨日見れなかったDVD 見てもいいし。
この間言ってたアイスを食べに行ってもいいよ。」って………。

誤魔化された気がしないでもないけど

アイスもDVD も魅力的。

「うん!」って言って立ち上がると唯を

クスクス笑いながら見送ってくれた。
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