キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「ただいま。」

玄関からお義父さんの声がして

お義母さんと二人でお迎えに行くと。

目を真っ赤にした、奥さんとお嫁さんにびっくり顔。

「「おかえりなさい!」」

笑顔の二人に、益々びっくり。

「………おかえり。」

後から来た悠君に、目で訴えると。

「あぁ。
親娘の絆を深めてたから。」って………。

どうやら、悠君聞いてたみたい。

腑に落ちない顔をしながらも

「唯ちゃんの好きなケーキを買って来たから
お家に帰って二人で食べなさい。」って………

どうやらお義父さんも、お泊まりさせるつもりはなかったみたい

「次こそは、夕ごはんくらい一緒に食べるよ。」

両親の優しさに甘えて、今日もお泊まりせずにお家に帰ったの。




「ありがとう。」

玄関を開けると直ぐに抱き寄せてお礼を言われた。

どうして?

「唯のお陰で、親孝行出来てる。
ずっとひねくれて、顔すら出してなかったから。
お袋と親父の、あんな嬉しそうな顔…………
唯ちゃんと出逢うまで、見たことなかった。」

唯には、恥ずかしくなるほど饒舌で

優しくて、愛情いっぱいだけど。

お義父さんたちには、違ったみたい。

いっぱい助けてくれて。

いっぱい愛してくれる悠君だから。

ちょっとでも恩返し出来てたら、嬉しいな。
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