キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「ねぇ、唯ちゃん。
一つお願いしたい事があるんだけど…………。」

一ヶ月後に迫った結婚式について話し合っていた時

いつになく真剣な顔で、話し始めた。

「いつもは、贔屓したらダメだとか
口うるさく言う俺が………
こんな事言うのは申し訳ないんだけど……………。
式の前に、一度バージンロードを歩いちゃダメ?」

??

「誰と誰が??」

「もちろん、唯ちゃんと俺。」

別に良いんじゃないのかな?

「後…………………愛里ちゃん。
3人で歩いて………
愛里ちゃんに『仲良くします。』って………誓いたくて。」

クスッて笑っちゃった。

だって、やっぱり悠君は………

唯の大好きな先生だったから。

唯の気持ちも。

愛里ちゃんの気持ちも考えて…………

一番良いアイデアを出してくれる。

「うん!
良いと思う!!
悠君、ありがとう。」

早速愛里ちゃんのお家に電話をかける悠君。

「愛里ちゃん、こんばんは。
今、何してるの?」

どうやら、愛里ちゃん本人が出たみたい。

公開浮気が嬉しくて

思わず横でニコニコしちゃう。

『ママ~
悠人が、唯先生の結婚式に愛里と3人で結婚したいって言ってる~』

携帯から聞こえる声は

何だかとっても誤解を呼びそうなお話し。

涙を流して笑っていたら

お母さんが代わったみたい。

愛里ちゃんに負けず劣らずなママは

「まぁ、悠人先生。
『お嬢さんをお嫁さんに下さい』って挨拶もなしに
連れていっちゃうんですか~」って

離れていても聞こえる大きな声で、笑いながら話してる。
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