キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
無事結婚式も終わり。

最後は、用意していたドラジェとお花のお礼を渡しながら

一人一人とご挨拶。

どの人も良い笑顔で、会場を後にして………。

ホッと一息つく。

「お疲れ様です。」

メイクを落として、着替えを済ますと

ミルクティとコーヒーを持って

香川さんと悠君が、図書室に訪れた。

「ありがとうございました。」

立ってお礼を言う唯に

「すっかり騙されちゃった。
お陰で、メイクがボロボロよ!
まさか私が、メイク直ししてもらう事になるなんて………」って

苦笑いで抗議する香川さん。

でも、本当にお礼を伝えたかったの。

悠君に相談すると、二つ返事で賛成してくれたから

悠君も同じ気持ちだったはず。

「森君と唯ちゃんには…………あんなに迷惑かけたのに…………。」

出逢いの事をまだ気にする香川さんに。

「あれは、女心が分からなかった悠君が悪かったんだもん。
それに、香川さんは私のお友達だよ。
悠君は関係ないもん。」って

悠君には『生意気。』ってデコピンされちゃったけど………

とっても笑顔だった。

「これ程このお仕事が楽しいって感じた事………なかった。
知り合いの結婚式っていうのももちろんだけど。
本当にアットホームで温かい結婚式………
私のこれからの仕事にとっても役に立つよ。
私こそ………
本当にありがとうございます。
図々しいけど………
もし良ければ………末長いお付き合いをお願いします。」

「もちろんです!」

「あぁ。
唯ちゃんのお友達らしいし、ずっと仲良くしてやって欲しい。
まぁ、俺も友達だと思ってるけど………。」

照れ屋な悠君は、やっぱりちょっと上から発言でした。
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