キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
これって…………

やっぱり……………開けるべきなのかなぁ??

う~ん………………………。

悩む唯に。

「唯ちゃん。
ちょっと、一人でお留守番を頼めるかな?」ってお義父さん。

お留守番??

お留守番って……………何処で??

意味が分からずキョトンとする唯から視線を外して。

「洋介君、拓。
屋上で明日からの仕事の話しがある。
……………来てくれ。
母さんも…………悠人が帰ってくる前に
唯ちゃんの雑誌や、時間潰しになりそうな物を見てくるんだろ?
行って来なさい。」って……………。

あぁ。

ここでお留守番ってことなんだぁ~

納得してたら。

「…………ということで、一時間位みんないないから
一人でゆっくりね。」って…………。

「…………………はい………………?」

一人でお留守番できるのに。

みんな心配性だなぁって思っていたら…………

お義父さんは、もう一度しっかり唯の目を見て。

それから……………

ゆっくりと引き出しに視線を移したの。

…………………………あぁ!!

やっと理解した唯を見て、ニッコリ笑って。

「ゆっくりね。」と言って、みんなを連れて出て行かれた。

……………………………………。

………………………優しいなぁ。

鈍い唯にも分かった、お義父さんの愛情。

悠君が優しいのは、お義母さんに似てるからだと思ってたけど…………

本当は、お義父さんに似てたんだ。

お義父さんの気遣いに甘えて…………

一人の今。

引き出しを開けることにした。
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