キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「悠人。
だったら、俺も帰るわぁ。」

「ありがとう、兄貴。
唯ちゃんの顔色を見てまた連絡入れる。」

やっぱり悠君のお願いに、みんなが動いたんだ…………。

落ち込む唯に。

「そんな顔しないの。
お陰で、兄弟二人でゆっくり話せたんだから。
こんなことでもないと、悠人とゆっくりなんてないからね。
悠人は、唯ちゃんがいればいいんだから。」

そう言うと、ポンポンと頭を撫でてドアの外に消えていった。




「唯ちゃん。
こっちに来て。」

今朝よりかなり顔色のいい悠君に、手招きされた。

「…………ごめんね。
奥さんとして………頑張って、付き添いたかったんだけど…………。」

「ゆ~い。
いつも言ってるでしょう?
唯が笑っててくれるのが………
俺は、なにより嬉しいの。
青白い顔で側で頑張ってくれるよりも
いっぱい食べて、いっぱい寝て…………
元気な笑顔を見せてくれる方が、俺も元気になれるよ。」

「悠~君~。」

まだ起き上がって抱きしめてくれることの出来ない悠君に

唯から抱きつく。

「うん!
こうやって、甘えて頼ってくれると元気になれる。
この調子だったら、2ヶ月待たずに帰れたりして!」

ニッコリ笑う悠君に

二日ぶりの、いつもの姿が見えた。

……………そうだね。

唯が、いつもの悠君を求めるように。

悠君だって、笑顔の唯がいいよね!

毎日、反省と…………進歩?…………かなぁ。
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