キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
さすがだなぁ。

先生の細やかな説明に、みんな納得する。

「あの、良いですか?
お昼ご飯は、移動してですけど
水族館を歩いた後、また歩いて移動するのは大変じゃないですか?」

そうだよね?

「私も良いですか?」

司会者の私が聞いても良いのかと、ちょっと不安だったけど。

笑顔の先生に促されて続ける。

「ひよこ組は、特に不安です。
後、妊婦さんの保護者の方も…………。
琴音先生と大雅先生のクラスにも
お腹の大きなお母さんがいるよね?
あっ湊先生のクラスは、下の子が双子ちゃんだったね。
先生、大丈夫ですかね?」

私の言葉に、新人の先生達もハッと目を見開いた。

これで自分のクラスの話しだと分かって

先生の説明にも現実味がわくよね。

私は2年前、その姿勢が足りなくて

最後に自分が降りるのを忘れたんだよね。

保護者と子供の部分だけが、大切だって勘違いして。

ホントは………

遠足全てが大切だったのに。

だから、新人の先生達にはその事を知ってもらいたい。

「唯先生、よく気づきましたね。」と先生。

「ホント、さすが唯先生。
細やかな気配りですよ。
保護者の体調や下の子の配慮も先生達のお仕事ですから。」って

主任先生にも誉められちゃった。
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