放課後の続き
「かな。
もう一度…………
俺の隣を、歩いてくれないか?」

俺の質問に

今まで流れていた空気が一変し。

重たい雲が現れた。

「………………………どの口が………そんなこと言うの?
もう、二度と関わらないで。
……………………あれ程側にいてくれるって言ったのに…………。」

そう言ってポロポロ泣き始めた。

不謹慎だけど………

この泣き顔が、変わってなくて安心する。

メイクをして、綺麗になった彼女に…………

正直、新しい男の影を思い浮かべて…………不安になっていたから。

泣いて、怒っているのは……………

まだ俺に気持ちがある証拠だから。

「ごめん、約束を守れなくて。
でも、もう二度と淋しい思いをさせないから。
俺の言い訳を聞いて。」

そう前置きをして

先日聞いた、ご両親と仁科貴文の会話を伝えた。

彼女はただただ涙を溢して

じっくりと耳を傾けていた。

「俺も、ホンの数日前まで
全く知らされていなくて…………。
迎えに来るのが遅れた。
不安の中、一人で受験させ………
遠い所まで行かせて………ごめんな。」

黙って聞いていたかなは…………

突如、顔を上げて

「ホントだよ!
………本当に、悲しかったんだからね!!
誠ちゃんの時の比じゃないくらい。
泣いて飛び出しても………誰も支えてくれなかったんだから。
ちゃんと責任、とってよね!!」と

スゴい剣幕で怒り始めた。
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