放課後の続き

bar

ギィ。

扉を開けて中を覗くと

ニッコリと笑って、カウンターを促してくれた。

かなは…………。

奥まったテーブルで、四人で楽しそうに話している。

「何を?」

「悪い。
車だから………烏龍茶もらって良い?
そこのお嬢様を迎えに来たから。」

テーブルに視線を送って伝えると

「あぁ。
了解です。」と言って

グラスに烏龍茶を入れてくれた。

「誠次の言ってた子と、上手くいったんですね。」

2年以上前の出来事を覚えていたことと

俺が連れて来た誠次と、親しくなってたことの両方に

驚きが隠せない。

まじまじと顔を見ていたら。

「すみません。
仕事柄、お客さんの話しは聞いても聞かなかったことにするのが
当たり前なんですけど。
誠次が、あれからしょっちゅう来てて
春人さんの話しをするもので…………。
それに……………
ウチの兄貴………………。
長男の方ですけど。
親しいですよね?」

「親しいといえば…………親しいけど。
君たち兄弟がいることを知ったのは………
ホンの数日前なんだ。
因みに、このお店とたかの弟たちの店というのが
繋がったのは………
昨日なんだ。
『カッコイイ兄弟がやってる、マスターのいるお店がある』って
そこの彼女が言ってて。
友達と飲みに行くって言うから
『迎えに行く』って言った時、探偵をしているって聞いて。
前に、たかの奥さんに『探偵している兄弟の店がある』と
教えてもらって、来たことがあったから。」
< 128 / 166 >

この作品をシェア

pagetop