放課後の続き

ホントの気持ち

「ひゃ~!!
はぁちゃん、楽しいねぇ~」

両手を高く上げ

バンザイのポーズで乗っている、かなの神経を疑う。

もちろん今乗っているのは、ジェットコースターだ。

何を血迷ったのか、一番前を陣取り。

おまけに手を上げて、掴まりもしないで乗っている。

高さ……………………。

ビルの何階くらいか、想像するだけでおかしくなりそうな位置からの

突然の落下。

作った人間の性格を疑うが…………。

それを楽しそうに乗る人間の方を

もっと人として疑う。

そう!!

俺は、怖いんだ!

言いたくないが……………怖い。

まともな人間なら…………恐ろしくて当たり前な乗り物だから………

怖いと認めることに恥はない。

ただひたすら、早く降ろせと叫んでる。




「楽しかったねぇ!?」

医者らしくない、青い顔の俺に向かって

笑顔で感想をのべている。

楽しい訳ないだろう!!

付き合うと約束した以上、乗らない訳にはいかなかった。

だから…………………何とか乗りきったんだ。

「ねぇ~はぁちゃん。
次は怖くない、メリーゴーランドに乗ろう。」

アホな娘のリクエストに、腹が立つ。

ジェットコースターの次が、メリーゴーランド??

何が悲しくて一回りも離れたオジサンが………

夢の国へ出発しそうな乗り物に乗らないといけない??

ふざけるな!

普段あまり気にしないジェネレーションギャップを感じながら………

次の乗り物に移動する。
< 144 / 166 >

この作品をシェア

pagetop