放課後の続き
「妊娠って………お前。」

「ウチの親にも、璃子の親にも挨拶に行ったよ。
殴られる覚悟で行ったのに…………
『医者はムリでも、仕事は沢山あるから
卒業したあとの心配は要らないよ!
それよりも、どんどん跡取りを頼むよ。』って笑顔で言われて………
今からベビーベットを何処に置くかで、悩んでた。」

まぁ、あの叔父さんだからなぁ。

璃子がのびのび育ったのも。

医者にならなかったのも、あの両親だからだ。

羨ましい。

「まさか、それで夏苗ちゃんの思いが邪魔になって
こっぴどくふるつもりか?!」

俺の憶測に

「それこそまさかだよ!
さっきも言ったように、璃子のことがあって
真剣なことがわかったからだよ。
子供ができて、余計に可愛いかった夏苗が浮かんで………
ちゃんと終わらせて、次に進ませたいって思ったんだ。
本当に愛してくれる人と結ばれて欲しいから。
だから、何度も言うけど。
ハル兄の協力が必要なんだよ。」

最後の

『だからハル兄の協力が必要なんだよ!』の意味は

分からないものの。

夏苗ちゃんを大切に思っていることは伝わったから………

誠次の希望を、叶えることにした。
< 23 / 166 >

この作品をシェア

pagetop