放課後の続き
「悪い!
今、終わった。
何かあったか?!」

俺なりに冷静な声を出したつもりだが

怯えた声で答える誠次に、冷静を欠いていたことに気づく。

「あっ…………えっと。
どうしよう。
夏苗…………飛び出して…………。
探してるんだけど…………見つからない。
…………自殺なんて……………」

はぁ~っ!!!!

自殺?!

どんな振り方をしたんだ!!

「アホ!!!」

怒鳴る俺に、半泣きで説明する。



大学の帰りに、つわりからか『体調が悪い』と璃子が言い。

急きょ、送って行くことになった。

今日は叔母が留守らしくて、誠次の家に予定変更で来たらしい。

誠次の家でゆっくり休んで、体調が戻った璃子を送ろうと

玄関に出たところで、夏苗ちゃんが車で帰って来た。

日頃から「自分の時間や体を大切にしろ」と注意している誠次は。

塾や習い事で遅くなり

顔色の悪い夏苗ちゃんに腹が立ったみたいで………

璃子を強引に引き寄せて、キスシーンを見せたらしい。

…………………バカが!!!

おまけに、ショックを受けている夏苗ちゃんに

「彼女だ。」と簡単に説明したようで

フォローすらしなかったと言う。
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