その支配は悪魔の果実
そうか。

日常が様変わりしすぎて忘れてたけど、私もずいぶんひどい女だ。

勝手に理想作り上げてホレて、現実見せられたら態度翻して、、、


「すみません。」

「そんなんだから表の偽りが必要で。本性出して仕事したって誰も慕ってはくれないだろ」

「、、、」

返す言葉が見つからなかった。

そんなことはないなんて、そんな見え透いた嘘は言えない。

現に私で立証済みなわけだし。


処世術か、、、


人は誰でも多かれ少なかれ、秘密や嘘を抱えて生きてる。

それがプラスに転じることならば、責めるなんて不条理かもしれない。

悪魔なのに人間らしいとこもあるんだ。

いや、そもそも悪魔なんて言い方が間違ってるのかも。

「そういえば社長、どうして突然本性見せたんですか?」

ずっと気になっていたこと。

「秘書課に来るやつに、仮面つけっぱなしは疲れるから。」

「そこは意外と単純な理由だったんですね。」



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