その支配は悪魔の果実
あ、うっかり忘れてたけど、明日の朝ごはんの材料何もない。

今から買いに行くしかないか。

まだ、20時過ぎたばかりだし、大丈夫だよね。

サッと行ってサッと帰って来よう。



ドレスを脱いで、狙われにくいようにスエットに着替えた。

帽子も目深に被れば、、、

やたらと長いエレベーターをクリアして、エントランスに出ると自動ドアの向こうに社長の姿があった。

どこか行くのかな、、、

バレたらややこしくなりそうだし、社長が行ってから出よう。


陰に隠れて伺ってたら、社長の前に一台の高級車が。

誰、、、だろう?

運転席から降りてきたのは、つばの大きな帽子にサングラス、いかにもな変装。

代わりに運転席へ乗ったのは社長だった。

そのままどこかへ走り去っていく。

明らかに噂の婚約者とは違う。


なんだろう、、、


小森さんの言葉が脳裏を過る。


"傷付いて欲しくない"

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