【全巻完結】愛は惜しみなく与う①

タクシーがコンビニから少しずれたところに停まる


……あれ?
運転席にいつものおじちゃんが乗ってない


……


この状況おかしくない?



ちょっと油断してた



だってまだ日が昇ってすぐで、肌寒くて…寝起きやったし



動くのが1秒遅れた





「あいつだ」




片手にメロンパン、もう片方にはコーヒー牛乳。
両手は塞がってて食べ物放り投げるのに、一瞬躊躇った

それがアカンかった


褒めよう


手際が良かったことを



歩いてくる奴らに気を取られたその隙に、後ろから伸びてくる手に気づかへんかった



この匂い…
ただでさえ二日酔いやのに



「おさえろ!運べ運べ」



え、やば

身体が宙に浮く


間に合うか?あまり抵抗せずにポケットの携帯を探るが、一人の男に手を叩かれて携帯を落とす


クラクラする匂い



意識が…やばいかも



こいつら、誰や?烈火の敵か?

あまりにも突然のことで身体が動かなかった



こーゆう時に限って一人でウロウロしてまうねんな。ごめん、みんな


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