5分以内で読めるショート・ホラー集
怖くなって、僕はすぐさま自転車を起き上がらせた。
家への道筋も無視して、一心不乱に走り出す。

とにかく、この暗がりの道から抜けだしたかった。

角を曲がり、曲がり、明るいところへと出た。
目の前に広がる光景に、思わず急ブレーキをかけた。

しまった。
これはまずい、と感じた。


連れ立って歩く会社員らや、大声ではしゃぎあっている学生ら。
いちゃつくカップルに、酔いに足元のふらつくサラリーマン。


夜の街は、多くの人で賑わっていた。


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