幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
彼の住むマンションは五階建てのシックでモダンなブラウン系の外観。
オートロックで、セキュリティも万全。
私と同じアルバイトだけど、こんなマンションに住めると言うコトは実家が裕福なのかもしれない。

彼に案内され、エレベーターに乗りこみ、五階へと上昇していく。

「五階の角部屋だ」

「陽当たり良さそうですね」

「まあね」

五階に到着すると彼が先に出て、部屋へと案内してくれた。

「お邪魔します」

「どうぞ」

センサーでライトが灯火していき、真っ暗だった室内は眩しい位に明るくなる。

白いレザーソファの応接セットに対面式のキッチンルーム。
新築マンションのモデルルームさながらの洗練された家具や調度品が並んでいた。



彼はキッチンカウンターにコンビニの袋を置いて、中身を取り出していく。

「あ・・・」
彼が手に下着を慌てて奪った。

「浴槽に浸かるなら自分でお湯入れてね・・・」

「あ、はい・・・」

「やっぱ、驚いてる?この部屋・・・
俺はアルバイトだけど・・・親父は社長なんだ・・・このマンションの家賃も親父が払っている。
所謂、俺は道楽息子だ・・・」

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