幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
「君は…確か・・・たまみちゃん」

「ご無沙汰しています。鳴滝さん」

「たまみちゃん、どう?夢街の店で働かない??」

「・・・鳴滝さん・・・彼女結婚するんだ」

「結婚?相手は同業者?」

「いえ・・・歌舞伎町の人間ではありません」

「残念だな・・・君なら稼げるのに・・・」

「鳴滝・・・俺の店の子はスカウトしない約束だっただろ?」

「そうだったか?」

鳴滝さんは惚けて、首を傾げた。

「・・・念の為に訊いておくけど・・・結婚は本当だよね・・・たまみちゃん」

「はい」

「・・・結婚なんて人生の墓場だぜ。やめとけよ。たまみちゃん」

「そう言わけには…私妊娠してて」

「デキ婚か・・・」

「はい」

「へぇー…たまみちゃんママになるのか・・・めでたいコトだ」

「・・・ちなみに相手の名前は?俺、顔が広いから知り合いかもしれないし、教えてよ、たまみちゃん」

「夏目さんです・・・」

「夏目さんね・・・」

彼は顎に指で摘まんでしばらく考え込んだ。

「知らないな・・・」

鳴滝さんの知り合いではなかった。
当然よね。蒼斗さんは刑事だから・・・







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