世界No.1の総長と一輪の花 II






「さんきゅ」




にっ、と笑った詩優。
その笑顔が好きで…大好きで……ぎゅっと抱きついた。





「よしよし」





優しい手でゆっくり頭を撫でてくれるから、なんだか視界が歪んで…涙が溢れてしまう。





「…すぐにお前が抱えてるものに気づいてやれなくてごめん」


「……私こそ…迷惑かけてばかりでごめんなさい……」





「…もともとは俺が巻き込んだようなもん。お前が謝ることじゃねぇよ」


「……私が…宮園さんに騙されたから…雷龍にも迷惑かけて…」





最後まで言う前にはっ、と思い出した。
とても大切なことに…。





「大丈夫だから」





詩優は私の心の中を読み取ったかのように強く抱きしめてくれる。





「雷龍には優秀なハッカーがいるだろ。それに…宮園とは取引したから、写真が出回ることもねぇよ」





…取引、が何なのかはわからないけど…
詩優の声は落ちついている、気がする。





だから…本当に大丈夫…なのかな…









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