世界No.1の総長と一輪の花 II
「交換条件っていうのは、冬休みに社長補佐を手伝うこと。
あ、赤点補習の日は見逃してもらえたから。そこは安心だな」
詩優はにっ、と笑う。
その笑顔は無理して笑っているようにも見えなくて……本当に無理、してないの?
「私も…私も働く…!」
ぎゅっと詩優の袖を掴んだ。
「危ねぇからだめ」
「…やだっ!!朱里さんにお願いしてみるもん!」
「そんなことしなくていいから…、俺の頼み1個聞いて?」
…頼み?
「なに…?」
「親父に花莉を正式に紹介したい」
…詩優のお父さんに…っ!!
繋いだ手は絡み合うように繋がれて、ぎゅっと力を込められる。
こくん、と頷けばその手を強く引かれて…
気づいた時には詩優の腕の中にいた。
「さんきゅ」
ぽんぽんと頭を撫でてくれる手があまりにも優しいから、大人しく頭を撫でられる私。
今から緊張するけど、
詩優のお父さんに…しっかり挨拶しないと…。