復讐寮~罰ゲーム~
どうにか立ち上がった真仁があたしに手を伸ばしている。


あたしはその手を握りしめた。


「今動けるのは知枝だけだ。みんなを助けないと!」


「でも、どうやって!?」


先輩たちは薬物入りのクッキーを食べてぼーっとしているけれど、全員を助けられるとは思えなかった。


「外へ出て助けを呼んで来てくれ!」


それなら、あたしにもできそうだ。


「あら、逃げるつもり?」


亜沙美に注射を打ち終えた寮母さんが、ゆっくりと振り向いた。


その目はあたしを捕らえている。


「くそっ」


真仁は舌打ちをすると同時に、テーブルに置かれていた壁を寮母さんめがけてひっくり返した。


中に入っていた熱された油が、寮母さんの頭にぶちまけられた。
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