復讐寮~罰ゲーム~
仮病
「あたしたちだって本当はこんなことしたくない。あなたたちは可愛い後輩だから」


カヤ先輩はゆっくりと部屋の中を歩き、あたしたち6人を見つめた。


その目はどこを見ているのかわからず、恐怖心が加速する。


「だけど、可愛いからこそやらないといけないことがあるの」


カヤ先輩はそう言い、亜沙美の前で足を止めた。


亜沙美を見下ろすその表情は笑っているが、どこかとても冷たく感じられた。


亜沙美はカヤ先輩から視線を外し、青ざめて俯いている。


「平方さんは寮に入ってから1度も掃除をしなかったわよね」


「それは……本当に、体調が悪かったから……」


亜沙美は必死で言い返しているけれど、声はとても小さくて震えている。


友樹が骨を折られたのを見たら、誰だって萎縮してしまう。


「そう。それなら仕方ないわよね。でも……仮病だったらどう?」


カヤ先輩は亜沙美の隣にしゃがみ込んで言った。


「仮病なんて使ってません!」


「本当かしら?」


カヤ先輩がそう言ったとき、他の先輩たちが何かを持って部屋に入って来た。

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