私は王子様を離さない
俺の幼馴染
~雅side~

「みーくん、おはよう!」

そう言い、後ろから抱き着いてくる愛実に思わず驚く。

「お、おい、やめろよ。俺達もう中学生なんだからさ」

俺がそう言うと、愛実はしぶしぶ抱着くのをやめてくれた。しかし、次は手を繋いでくる。

「じゃあ、これで我慢するよ……」

飼い主に怒られた犬のように落ち込む愛実に、俺はやめろと言えなかった。
愛実は俺の幼馴染で、昔から仲が良かった。が、最近はなんか距離が近い。
もともと女慣れしてない俺は、時々愛実の言動にドキッとしてしまう。だが、愛実のことは異性としては見れない。多分、昔から仲が良かったのが原因だ。

「……みーくん、どうしたの?」

愛実の声に、ハッと我に返る。

「な、なんでもないよ」

俺がそう言うと、愛実は安心したように「そっか」と言う。
……? なんで安心したように言ったんだろ? ……まあいっか、それくらい。
その後、俺達は他愛もない話しをしながら学校へ向かった。
勿論、学校近くになった時には手を離してもらった。
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