泣いた、緋鬼
「スー…、ハー…」

母に言われた通りに息を大きく吸うと、乱れていた心拍数が徐々に落ち着いていく。





「―――未菜!良かった。死ぬかと思った――!」





母は安堵の息を吐いて、私を優しく抱き締める。

「ずいぶんうなされていたけど、何の夢を見たの?」

母が優しく私の耳元で聞いてくる。

言えるわけ無い。




『お母さんが過保護過ぎるから、私には友達がいないんだよ』なんて―――――。





「―――ちょっと、怖い夢」





私は平気で嘘をつくと、母を安心させる為に微笑んだ。





「―――そう。未菜は生まれつき心臓が弱いんだから、あまり興奮するような事はしないでよね」





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