敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】

敏腕社長に会いました。

「神崎さん、ちょっといい？」

永田部長に呼ばれて、デスクまで行った。

「何でしょうか？」

「これ、この資料を作ったのって、神崎さんだよな？」

「は、はい。そうですが……何かミスがありましたか？」

焦って尋ねた。

「いやいや、違うよ。
この資料がすごく見やすくてね。今朝の会議で役員達にも好評だったぞ」

「そうですか。ありがとうございます。先輩の指導のおかげです」

「社長も、一度君と直接話してみたいとおっしゃってたぞ」

「えっ？社長がですか？」

「あぁ。なんでも、君の作った資料が取引先でも好評で、それもあって契約がまとまったみたいだ」

「本当ですか！？それは嬉しいです」

「今日中に社長秘書から連絡があると思うから」

「は、はい」