real face
そうよ、美味しいと思って欲しいから、腕によりをかけて作りたい。

「じゃあさ、ケーキでも焼いたらどう?」

「そのつもりだけど……」

「え、あ、そう。チーズケーキなんかいいんじゃねーか?俺も食べたいし」

もう!双子ともスイーツ男子なんだから。

「そっか、チーズケーキか。主任がね、前にもらった手作りのパウンドケーキが絶品だったらしいの。あの"Many cakes"よりも上だったっていうのよ!元カノかなんなのか知らないけど、私の作った方が美味いって言わせたくて。勝負かけてるのよ。ねえ新、チーズケーキで勝てると思う!?」

「あ、ああ、俺は、あのパウンドケーキよりもチーズケーキの方が美味いと思ってるから。イケると思うけど。翔さんの好みはどうなんだろな?」

「ああ~もう悩む!!よし、こうなったら新の味覚を信じる。もし失敗したら新の所為ね」

「おい、姉貴ぃ……」

そして現在、9:30。
買物、行って来なきゃな……。

「あかりー。一緒に買物行く?」

「おねぇ。ごめん今日は友達と遊ぶ約束なの」

「そう。あのね、今夜お客さん来るから」

「お母さんに聞いたよ!おねぇの彼氏さんでしょ?楽しみにしてるね~。じゃ行ってきまーす」


──17:45。

もうすぐ約束の時間。
料理はお母さんが少し手伝ってくれたけど、ほとんど1人で作った。

本日のメニューは

・和風ハンバーグ
・ポテトサラダ
・山芋のとろとろスープ
・ほうれん草の胡麻和え

大皿で出して取り分ける料理は避けて、一人一人に分けて出せるものでメニューを組み立ててみた。
好き嫌いがないか聞いてみたけど、なんでもOKということだから、我が家でも評判がいいハンバーグがメイン。
あとは温かいまま食べてもらえるように、盛り付けるタイミングを見計らっているところ。

~♪

メール来た!!

『マンションに着いた。車は何処に停めたらいい?』

『弟を寄越しますので、待っててください』

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