real face
──15:00過ぎ。

「なぁ、まひろ。菜津美と一緒じゃなかったのか?何処に行ったんだか」

BBQも終了し、片付けしてたり、まったりしてたりする面々。
まひろは1人でポツンと座っていた。

「なつみんなら、さっき迫田さんが仕事の話で相談があるって」

まひろの視線の先には、テーブルを挟んで向かい合う菜津美と迫田。

「嘘だろ……。俺の目の前で、いい度胸してるな迫田」

「だって迫田さん知らないんでしょ?イチにぃとなつみんのこと」

そうだけど。
菜津美も仕事のこととなると真面目だしな。
そこがまた好きなんだけど。

「迫田さんはイチにぃと佐伯主任ができてるって本気で信じてるみたいよ」

「もうその話はいいよ。お前今日はちっとも翔と一緒にいないな。なんかあったのか?」

「べっ、別に!佐伯主任はシュウにぃにコキ使われて忙しそうだし」

修一のやつ、なにか仕掛けてくるかと思ってたけど。

「あっ、宮本さん!ちょうどいいところに……。良かった」

そう言いながら近付いてきたのは霧島さん。

「今日のBBQの道具を一式ここに来る途中の知り合いから借りてきたんですけど、急遽必要になったそうで直ぐに返しにいかないといけなくなって……」

「もしかして、その役目を俺に?」

図星だったんだろう。
一瞬目を丸くしてから、決まり悪そうに切り出した。

「さすが宮本課長、察しがいいですね。私がまだここを離れられないので困ってたんです。お願いできますか?」

ここは修一の顔を立てておくか。

「いいですよ、お安い御用です。今日は蘭事務所の皆さんによくして頂いたし、お役に立てれば何よりです」

「ちょっと1人だと大変ですよね。まひろさん、宮本さんを手伝ってもらえませんか?」

「えっ、私ですか?……いいですよ」

まひろが立ち上がって着いてこようとするけど、俺1人で大丈夫なはず。


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