real face
やっぱり、そうだよね。
"部下"って言われると思ったけど、実際にそう言われちゃうとなんか複雑……。
でもここは空気を読んで、"無愛想な部下"なんて思われないように、営業スマイルでご挨拶してみた。

「あれ?もしかして、修の従妹のまひろちゃん?」

「翔の部下ってどういう事?」

「めっちゃ可愛いじゃねーか!!まひろちゃん、二次会一緒に行こうよ!!なぁ、いいよな?」

えっ、えっ……えええええ?

「うるさい!!お前ら勝手に気安く『まひろ』って呼ぶな!まひろは部下だけど俺の彼女だから、二次会は却下。じゃ俺たち行ってくるから。お前は気を付けて帰れよ、まひろ」

そう言って、みんなから質問攻めにされながらもスルーしつつ二次会へと行ってしまった。

嵐が……去った。
ちゃんと私のこと『彼女』って言ってくれたね、主任。
二次会で飲まされすぎないといいけど。
本音スイッチ入ってしまったら、洗いざらい白状して後は何にも覚えていないんだよ……大丈夫かなぁ。


『上司と部下』だけど『恋人』
恋人っていう響きは、まだくすぐったくて慣れない。

あの夏のBBQの日、お互いに胸に秘めていた想いを伝え合った私たち。
それまでは、付き合うようになってから手を繋いだりキスしたりしたけど、本当の意味での恋人同士ではなかったんだ。

突然のキスから始まった私たち。
私の憧れていたようなファーストキスじゃなかったし、主任には忘れられるしで、散々だった。
だけど、キスの回数を重ねていくうちに、主任を好きになっていって想いが積み重ねられていったんだ。

キスして、付き合って、告白。
順番は滅茶苦茶かもしれないけど、正解も不正解もない。
これが私たちのリアル。

メイクをバッチリ決めて、大人の女性をアピールしているのは、仮の姿。
メイクが崩れるほど泣きじゃくって、現れた素顔こそが、本物の私。

それが私の、リアルフェイス。

他の誰でもない貴方にだけは、本当の私を見せてあげる。


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