real face
「そうだよな、翔真さんみたいな兄貴がいたら自慢だよな!」

「お前ら、高1なら15か16だろ。俺は、28だぜ。一回り違うけど、いいのか?」

「でも、うちの姉貴は23歳で妹はもうすぐ10歳。13歳も離れてるから似たようなもんですよ」

「そうそう。翔真さんみたいなカッコいい兄貴がいたらいいなって、俺も思ってた!」

なんか、むず痒いけど……。
『こんな兄貴がいたらいいな』なんて言われて、嬉しくないわけない。

「よし、じゃそろそろ行くか。父さん、ソファーでうたた寝しないでくれよ。新と信、ちゃんと送ってくる」

「頼んだぞ翔真。新と信、明日また学校でな」

「吉田先生、今日はありがとうございました!楽しかったです」

「どうもお世話になりました!また来てもいいですよね?」

「ああ、いつでもいいぞ。ただ、事前に連絡してくれよ。準備があるからな」

「次はもっと早く来て準備も手伝います!……信が」

「おぃぃ!!お前もだよ、新!」


「あーマジで楽しかったな~。ありがとう翔真さん、送り迎えまでしてもらって」

「いいよそんな気にすんな。あ、それから俺のことは『翔』でいいよ」

ほんの数時間だったけど、コイツらのこと気に入った。
新と信。
今まで自分に弟がいたらとか考えた事もなかったが、案外悪くないなと思っている自分が不思議だ

「じゃあ、翔さん。あとで携帯の番号とアドレス交換してくれませんか?相談とかできたらいいなって」

「俺も俺も!!お願いします翔さん!!」

可愛い奴等だな。
頼られるのがこんなに嬉しいとは、思わなかった。

「いいよ。今運転中だから後で……って、もしかしてココか?」

結構大きなマンションだな。

「あ、はい。じゃアドレスアドレス!」

「俺も俺も!!」

連絡先の交換を2人として、マンションの前で別れる。

「先生には明日学校で改めてお礼言っときます!」



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