恋ごころは眼鏡でも見えない
「はぁぁ……」
「なによ。そのため息」
「真理ちゃん~私の癒し~……」
真理ちゃんにすがりつく。真理ちゃんは私の背中をトントンあやしながらどうしたの?と聞いてくれる。
私は、真理ちゃんに手紙を見せる。
「これ~」
昼休みになった今、手紙は2通増えて計4通になっていた。ファンクラブ一同さんはとても筆まめだった。
「なにこれ~。こんなかわいい華世にブスって……自分の顔、鏡で見たことないの?」
「もー真理ちゃんは私のこと好きすぎ~。ありがとう~」
真理ちゃんにぎゅうぎゅう抱きつく。
「どういたしまして。で、これどうするの?」
暑苦しいと、べりっと剥がされる。
「どうしようもないよ~。濡れ衣だよ~」
剥がされた私は再び抱きつこうとするが、阻止されてしまった。
「さっきも新山と歩いてなかった?」
「雑用手伝ってもらったの。担任が学年分プリント印刷してこいって言うから」
学年は100人弱でプリントは3部あって、ホチキス留めまでさせられた。
新山君が声をかけてくれなければ、昼休みいっぱいかかっていたかもしれない。新山君、助かりました。ありがとう。
「それも手紙貰いそうね」
「もう貰ってます」
貰いたてほやほやの手紙を見せると、真理ちゃんはブフッっと吹き出した。
「仕事はやすぎ」