愛しの Silver Fox 様
「楓…こっちのことは心配するな。
ちゃんと、お前を、お前たちを守るから!」

直哉はそっと楓の分身の手を握り

「俺たちは帰ろう。」

そう話しかけてみると、小さくうなずき柔らかく微笑まれ心臓が高鳴った。

楓の手は暖かく、生身の人間としか思えない。

ただ違うこと…
それは、直哉にむける好意的な眼差しと微笑み。

今まで向けられたことのない彼女の笑顔に、直哉は戸惑い珀に目を向けた。

脳内に彼の声が響く。

『楓の半身は許嫁のぬしを心のそこではちゃんと好いているから安心しろ。
楓の感情、言葉や行動は私が作り上げたものではない。

たがら頼んだとおり、早急に楓と契りを交わし、他の者共を寄せ付けるな。

直哉……頼んだぞ』

珀の腕の中に閉じ込められたままの楓に視線をやると、このまま珀の嫁として連れ去られることに不安げに直哉を見つめている。


「大丈夫だ、楓。
すぐにまたここに戻れるから、安心して珀についていけ。

俺が、楓をずっと守るから安心しろ。
俺は……何があっても一生楓と共に生きていくから」

楓が小さく頷いた。

直也はそのまま、手を握りしめている楓の分身と山をおりた。
< 20 / 20 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
「沖田先生、好きです! 私と結婚を前提に付き合って下さい!!お願いします!」 「はぁ!? お前ふざけてるのか?なんで俺がお前と結婚するんだよ!それ以前に付き合うことも当然却下だ!!いいか、俺に近づくな!付きまとうな!視界にはいるな!」 本多真琴 29歳 晒名総合病院栄養士&調理師      ××× 沖田直紀 32歳  晒名総合病院外科医 病院でも有名な無愛想で能面みたいな男に恋をしている。この人は絶対に私の運命の人!! 押しに押しまくっていたある日、ひょんなことから偽の恋人に!? このチャンス逃すわけにはいきません!この恋必ず成就させて頂きます!!
表紙を見る 表紙を閉じる
道を聞かれたり、頼まれごとをされたり、昔からよく知らない人から声をかけられた。 お人好しで嫌と言えない性格をいまほど後悔したことはない。 小谷朋葉(こたにともは)28歳 庭師      ×          迫田大知(さこたたいち)33歳 株式会社SAkOTAリゾート副社長 「お見合いの時だけ恋人のふりをする約束でしたよね?」 「…そのつもりだったんだか…。 状況が変わった。このまま俺と結婚して妻のふりをしてくれ!」 「はぁ!?何言ってるの!?そんなことできるわけないでしょ!」 子供のころからおとぎ話のような素敵な恋愛を夢見てきた。幸せになれる魔法の言葉。 “ビビディ.バビディ.ブー!” 偶然出会った彼の恋人役から始まった私達の関係。 はじめは自分勝手で無愛想なこの人が大嫌いだったけれどいつの間にか私の心はあなたでいっぱいになっていた。 ねぇ誰か…彼と釣り合うように、隣に並ぶ勇気がもてる魔法を私にかけて下さい…。 "ビビディ.バビディ.ブー!  私のことを好きになーれ"
彼女と私の見分けかた

総文字数/85,437

恋愛(学園)207ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
毎朝通学電車でみかける背の高い彼が私は好きだ。 「…なぁ、藤咲ってここホクロなんてあったっけ?」 「っ!」 のばされた手が私の頬をさらりと撫でる。 「…真っ赤。可愛い」 双子の美月と入れ替わってそれぞれの学校に行った隣の席に…毎朝見つめていた彼がいた。 憧れの彼が入れ替わっている私に甘く囁く。 だけどそれは私にではなく美月に囁く甘い言葉。 けっして私に向けられている言葉じゃない…。 藤咲菜月(ふじさきなつき) N女子高2年     × 服部祥平(はっとりしょうへい) T高2年   *どこかで聞き覚えのある名字… そう、服部Jr. と双子の姉妹の恋のお話です。           

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop