死者の音〜最期のメッセージ〜
如月刑事が訊ねる。大河も緊張したようにゴクリと唾を飲み込んだ。

「高野匠さんは……音楽てんかんだった可能性があります」



「音楽てんかん?」

如月刑事が首を傾げる。大河もクエスチョンマークを浮かべていた。

藍はゆっくりと口を開く。

「通常、音楽を聴いているだけでは発作は誘発されない。でも、稀に精神活動が引き金となり緊張が高まることで発作を起こすことがあるの。音楽だけでなく、読者や意思決定によって発作が起こることもあるわ。このようなてんかんの人の事例は少なく、医師でも見落としてしまうことがあるの」

藍は、高野匠の発作を起こした状況の話を思い返してみたのだ。その時、共通していることがあった。それは音楽が流れていることだった。

「でも、今回行ったところには音楽が流れていないところもありましたよ。例えば家電製品店とか」

大河がそう言い、如月刑事も頷く。藍は言った。

「テレビから音楽が流れていたんじゃないかしら?匠さんは歌番組を避けていたみたいだけど、たまたま流れていたとか」
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