死者の音〜最期のメッセージ〜
「藍?」

「霧島さん?」

藍の異変に気づき、大河と朝子は話しかける。しかし、その声すら藍には聞こえていない。

記憶を巡るのは、あの人との思い出、約束、そして時間、守られなかった約束、絶望ーーー。

「お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!」

藍は突然頭を押さえ、泣き叫ぶ。突然叫び出した藍に、大河たちは固まった。何事かと所長室の扉も開く。

藍の体は、スローモーションのように地面に倒れていった。






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