ココロの好きが溢れたら

近づく一歩




「ん……」


翌朝、私は朝5時半に目が覚めた。


両親と一緒に住んでいる時からお母さんのお手伝いをするために朝早く起きていたから、自然と体内時計が5時に起きるようにセットされてしまったんだ。


まだ完全に開けきらない目を擦りながら横を見た私は、一瞬呼吸を忘れて硬直した。


だって…。


「っ!?」


寝顔も綺麗に整いすぎているハルの顔がこちらを向いていたから。


「きっ……!!」


顔が至近距離にありすぎて思わず叫びそうになった口を慌てて塞ぐ。


凶器だっ…。

この顔は凶器だよっ…!!


なんとか心を落ち着かせて、改めて見るハルの寝顔。



「…ホント、カッコいいなぁ」



眠っているハルは、起きている時のハルとは違い穏やかな顔をしていた。


普段より少し幼く見えるその顔が、本来の彼の素顔なのかな…なんて考えたりした。


私があの無表情な顔をさせてる原因だったりして……。


そこまで考えて、ふるふると頭を横に振った。


…やめよう。

だんだんネガティブになっていくよ。

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