一生一緒
徐々に怒りで震え始める伯に女子生徒達は顔を真っ青にして一歩ずつ下がる。






「…伯!これは違うの。……今みんなと化粧の話したり化粧をさせてもらったりしてて」





私が言うと伯は少し声のトーンを上げた。






「化粧?…確かにいつもと雰囲気が違う奴らがいるが……お前のその格好はなんだ?」






女子生徒達がハッと息を飲む。






「こ、これは私があまりにも暑すぎて頭から水を浴びただけ!……は、伯、何かあったらちゃんと言う。だから今はこのままで居させて?」







そう言うと伯は目を見開いて長い間考えたあとため息をついた。






「……分かった。…ただし、その格好は何とかしろよ?……あと他の奴ら、今回は美幸に免じて不問にする。が、次はないからな」





その伯の殺気に女子生徒達は顔面蒼白になって何度も頷いていた。





まだ何かいいかけている敏次と双子を引き連れて校舎へと戻っていく伯。






四人が居なくなると女子生徒達は半泣きで私を取り囲んだ。






「ほ、本当にごめん……。」






「あたしたち黒羽様達と一緒にいるあんたが妬ましくって…」






「だけど今ならどうして黒羽様達が貴女を選んだか分かるような気がする」






「うん。あたしも」






「あんなことして本当は許してもらえない筈なのに庇ってくれてありがとう」







女子生徒達が頭を下げる。






私はにっこり笑った。






「女子なら誰だって気になる人に振り向いてもらいたいよね。……だけど私は貴女達の化粧にも原因があると思ったから正直に言っただけだよ。」






そう言うと女子生徒達は素直に笑った。

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