一生一緒
しかしいくら考えても行きたいと思う場所なんてない。







「どうしよう…思い付かない……」






「無限、美幸ちゃんはあまり出掛けたりしないから分からないんじゃないかな？」とアキラが顔をしかめながら言う。







「そうですね。かといって棗に聞いても行きたいところなんてないでしょうし。」と腕組みをする無限






「けど美幸ちゃんが一緒なら棗は何処でもいいと思うよ？」と環







「そうそう。美幸ちゃん見ててデレデレするだけだよ」と斎







二人してケラケラ笑っている。






「……うーーん」






皆で悩んでいると棗が帰ってきてしまった。






「あ、おかえりなさい」と無限






棗は表情を変えずに、しかし唸っている私を見て首をかしげた。







「どうした？」






「え？…べ、別に何も…ないよ？」






あまりの私の演技の下手さに後ろで無限とアキラが苦笑している事には気付かなかった。






棗が眉を寄せて近付いてくる。






「隠すな」







「か、隠してない！」








尚も言い続ける私に棗が無言で手を伸ばしてきた。

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