アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
辺りを見回すと、既に林さんはどこかに行ってしまった。

林さん。

空気読み過ぎるよ。


「有我には、きちんと言っておくから。」

「うん……」

私はその言葉でほっとしたけれど、五貴さんはまだ放してくれない。

「五貴さん?」

「ごめん、つむぎ。もう一つ、謝る事がある。」

嫌な予感がした。

この流れで行くと……

やけを起こして、浮気しちゃったとか!?

やだ!

信じられない!!


「な、なあに?」

ドキドキしながら、五貴さんに尋ねた。

「俺、有我にヤキモチ妬いた。」

「えっ?」

私はそっと、五貴さんの顔を見た。

ほんのり頬が赤くなっている。

「俺、会社ではつむぎとあまりイチャつかないようにしているのに、有我はあんなにイチャイチャして。なんだよ。旦那の俺がこんなに我慢してるのにって。」

それを聞いた私は、思わず笑ってしまった。

「笑うな。俺も恥ずかしいんだから。」
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