君にベレー帽は似合わない
君にベレー帽は似合わない
***

5分、遅刻。

メグちゃんは……

見つけた…って、え!?

「メグちゃん、遅れてごめんね!」
「大丈夫。私も今来たところ」
「ねぇ、そのワンピース…」
「どう、かな?」

普段、そんな服着ないのに。
もしかして、ボクのために着てくれたの…?

「…やっぱり、変だよね。ごめん。似合わない服なんて着てきちゃって」
「違う、そうじゃなくて!」

彼女が他の誰からも見えないように…
隠すように抱きしめた。

「可愛すぎる、から。困るよ、メグちゃん」
「ハルくん…」
「もっと好きになっちゃうじゃん」

ボクばかり君に染められていくのは、少し許せない。
今度は君をボクの色に染めたい。

「でもね、メグちゃん」
「え?」

そっと彼女のベレー帽を取って、新作のカンカン帽を被せる。

「こっちの方が似合うよ」
「これって…」
「ボクがデザインした新作。メグちゃんにだけ特別」
「……ありがとう!」

やっぱり、メグちゃんは世界一可愛い。
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