キスの場所の意味、教えてあげる
その時、彼女が言った。

「ねえ、キスしてみて」

僕は突然のことに戸惑い、顔をさらに赤くする。心臓がドキドキしていた。

周りを見れば、さっきまでいたはずの女子たちはみんないなくなっている。ここには僕らしかいない。

僕は彼女とするのがファーストキスだ。でも、彼女はどうなんだろう。女の子ってファーストキスとか、大事なんじゃなかったっけ……。

僕は唇にする勇気が出ず、彼女の白い手を取ってそこに唇を落とした。

「もう〜!口にしてもいいのに〜」

そう言って彼女が笑う。僕は「だ、だって恥ずかしいよ!手にするのでも緊張したのに!」と苦笑した。



それから数日後、僕はクラスメートに裏庭に呼び出されていた。イケメンでモテモテな男子が呼び出したのだ。何となく、言われることはわかっている。

今日は彼女と帰る予定の日だった。でも、呼び出されたなら行くしかない。僕は彼女に「先に帰っていていいよ」と言って裏庭に向かった。
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