君の声が聞きたい
「琴音………」

「お父様………!よろしくね、バージンロード!」

お父様と歩くのはこれで何回目かな?
私はそっとお父様の腕に組む。
もう泣きそうなお父様に私はお礼を言う。

「お父様………ありがとう、今まで」

「何を言っておる。まだ早いじゃろ!」

「………うん、そうかもね」

君と出会って初めて知ったことばかり。
最初は大切な友達だった。
それから大切な恋人になって。
そして今は私の大切な婚約者。
私の夫になるんだね。

「お父様………私、幸せだよ?これも全部………お父様のおかげだね!本当に………ありがとう」

「琴音………」

「新婦の登場です!」

会場内は拍手と歓声で盛りがった。
私はお父様とゆっくり歩いた。
そして私は今までのことを振り返った。

『ねぇ、白石さん』

『はい?』

『おはよー!』

『またねー!』

『白石さん!』

『琴音………』

私と君が出会ったのは初めてではなかった。
だけどあの時は運命だと思った。
記憶がなかったとしてもまた君に会えた。

「琴音………っ」

「………っ隼人君」

私は愛する人の前にきた。
そして手を差し出されて私はその手とる。

「隼人君、琴音をよろしくな」

「はいっ!」

私は隼人君の隣に並んで前を見た。
私は隼人君を見るのが恥ずかしかった。
だっていつもよりカッコいいだもん!
< 47 / 51 >

この作品をシェア

pagetop