幸せな結末
薬を変えるということは新しい副作用とも向き合わなくてはならない。
理恵はぼーっとしているとあたりは暗くなっていた。
帰らないと朝陽が帰ってきてしまう。

理恵はブランコから立ち上がり家路についた。

「理恵?」
その声に理恵が振り向くと朝陽がスーパーの袋を下げて立っていた。
「おかえり」
その表情に元気がないことを朝陽が悟る。

朝陽はそっと理恵の肩を抱きマンションの中へ入った。

玄関を入ると朝陽が理恵を抱きしめる。
きっと朝陽は病院での結果が悪かったことを悟っているのだと理恵も気づいている。

だからこそ朝陽は自分に何も言わない。
何を言っても理恵が自分を責めることを朝陽は知っている。
理恵は朝陽の背中に手をまわして大きく深呼吸をした。
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