日常時々小さい喜び
一輪の花

生きる





最近一輪の花を育て始めた。


普通の、なんてことはない花だ。

この花はコンクリートの間から生えており、

私はその花が「生きたい」とそう思っているように見えた。


何を馬鹿なと言われるかもしれないが、

何故かこの花を大切にしたいと思った。


この花を持って帰る時に出会った若者にも託されたしな。


私は長く生きるようにと色々手を施した。


今日も奈良さんの番組が始まる時間になった。


「さて、今日はどんな放送をするのかな。」



「貴方の日常の些細な喜び!

司会は私奈良が務めさせていただきます!


さてさて今日は!

「生きる」

という事を考えてみましょう!


人それぞれの人生があるように生きる事にも種類があります!

私はなんてことはない会社勤めをして途中でいい伴侶が見つかったらいいなぁくらいです!

でも私は一つ心に決めています!

死ぬ時は笑顔で逝く!

私はこれまで笑顔なんてヘラヘラしていて嫌だと思うタイプでした!

でも私、気づいたんです!

私が笑顔になったら両親も友達も笑ってくれるんです!

「何か良い事あったの?」

なんて笑顔で言いながら!

私が笑顔なだけで大切な人が笑ってくれるんです!

私はそれが嬉しくてもっと笑うんです!

もう今は両親も友達もいません!

けど私は笑います!

私が笑っていたら天国のみんなが笑ってくれるから!

そして!

テレビの皆さんが少しでも!

悲しそうな表情じゃなくヘラヘラしてても笑顔を見て欲しいから!

悲しそうな顔を見たら悲しくなってしまう!

けど笑顔はつられて笑うか呆れるかです!

それなら私は後者がいい!だから皆さん!

私の笑顔を見てくださいぃぃ!


あ!今日は私の話をして終わりそうです!

すみませんでした!ではまたo(((〜〜cm音♪」






奈良さんはいい笑顔だな。


「生きる、か…。」


私は真剣に考えたことがなかった。

ただ目の前のよく分からないものを一生懸命頑張ってきた。


私の「生きる」とは何だろう。


私は寝るまで考えたがよく分からなかった。





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