「悪」が似合わない君と。


そっと目を開いたそいつは

俺のことをじっと見据える


…?


なんだ?なかなかうごかねぇ


「…おい」


声をかけてもどこを見てるかわからないようなバカみたいな顔をしてる

なんかほんとにトンボみたいだな


「おい、トンボ!」


そう声をかけてやっとハッと動いた


「す、すみません!」


俺の手から離れる

その瞬間そいつのトンボ眼鏡が落ちた


…は


その顔を見た瞬間…ピリッと脳内で記憶が蘇る



白い肌、明るくツヤのいい髪

吸い込まれるような瞳に柔らかそうな唇

俺の少ない語彙力で表すと…
妖精みたいな女の子


忘れるはずがない


俺はこいつを知っている


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